ベーリング
ある人が言いました。
いつまで続けるの? ほら、もう終わりなよ。君には出来ないと。
ノアのような人ならば、愛する者の為、信じて作っただろう。大きな方舟を。
嘘つきって罵られて、ほら見ろって笑われても、生涯を捧げ叶えたんだ。
逃げるな!負けるな!ここまで来たんだ。
さぁ行こう、もう止そう、繰り返して。半信半疑で僕が浮かべた、
小さな小さな方舟は、誰を救えるの?
ある人が言いました。
まだそんな事をしてるの? ほら、君ひとりだよ。誰もついて来やしないと。
モーセのような人ならば、愛する者の為、信じて越えただろう。道なき砂漠さえ。
無謀だって止められても、絶望だって嘆かれても、対岸を目指して突き進んだ。
迷うな!止まるな!きっと道はある。
不安も涙も抱き締めて、前だけ見つめて歩けたなら、
途切れた岬の対岸へ、辿り着くのかな。
どうして僕を選んだの? どうして何も答えない?
立ち止まって迷い続けたって、答えは出ないよ。だから進むんだ。
さぁ行こう、もう止そう、繰り返して。道の途切れてる岬へ向かう。
孤独な孤独な旅路の果てに、何があるのかな。
不安も涙も抱き締めて、前だけ見つめて歩けたなら、
途切れた岬の対岸へ、辿り着くのかな。
ある人が言いました。 ほら、もう少しだよ。